経営計画書って何?目的とつくり方をやさしく解説
経営計画書は、銀行に見せるためだけの書類ではありません。
会社が「どこへ向かうか」と「どうやって進むか」を、言葉と数字で整理するための地図です。
はじめての方でも迷わないように、目的と基本の流れ、金融機関に伝わるポイントまで、やさしく説明します。
経営計画書は「会社の地図と予定表」
計画書は、日々の判断を助ける“社内の道しるべ”であり、必要に応じて外部(銀行や支援機関)に考え方を伝える“名刺”にもなります。
社内で詳しく使う版と、外部に出す簡潔な版を分けておくと、守秘と分かりやすさの両方が保てます。
何のために作るのか
一番の目的は、経営者の頭の中を整理して、やること・やらないことをはっきりさせることです。
同時に、社員と目標を共有し、同じ方向を向けるための土台にもなります。
資金調達や補助金の場面では、返済原資の見通しや資金の使い道を落ち着いて説明できる計画が、信用につながります。
新しい投資を決めるときや、想定外の出来事に備えるときにも、計画書は頼れる拠り所になります。
基本の構成は「志・作戦・数字」
最初に、なぜこの事業を行うのか、どんな会社にしていきたいのかという“志”を短く明文化します。
つぎに、市場の動きや競合、自社の強みと課題を、事実にもとづいて整理します。
そこから、今年・3年先・5年先の目標を置き、価格や数量、人員体制などの前提と結びつけながら、具体的な作戦に落としていきます。
最後に、損益・資産負債・お金の流れを連動させた数字の見通しを作り、月ごとの資金繰りまで見えるようにしておくと、実行の精度がぐっと上がります。
金融機関にきちんと伝わる計画とは
評価されるのは、立派なスローガンではなく、返済原資の確かさと運用力です。
過去の実績と計画の整合、資金の使い道と回収の見込み、季節要因で資金が苦しくなる月の見通し、そして月次でのモニタリング体制。これらを落ち着いて説明できると、計画は自然と信用を帯びます。
補助金は制度ごとに求められる様式や指標が違うため、一般の計画をそのまま流用せず、要件に合わせた要約版を用意するのが安全です。
はじめ方はシンプルに、小さく回す
いきなり完璧を目指す必要はありません。
まずは社内向けの簡潔な計画を作り、月次の予実で「どこがズレたか」を確かめ、翌月の打ち手に反映します。
必要になったら、銀行や支援機関向けに要点を整理した提出版を整えます。
この“作る→使う→直す”の循環が、会社に落ち着きと推進力をもたらします。
当事務所ができること
私たちは、志を中長期のビジョンに落とし込み、市場機会と結び直した経営戦略を一緒に設計します。
そのうえで、損益・資産負債・キャッシュフローが連動する財務・収益計画を作成し、月次の資金繰りや損益分岐点、基準・楽観・悲観の三つのシナリオまで整えます。
事業性評価とリスク分析では、収益性と回収可能性、そして返済原資の確かさを丁寧に確認し、必要な備えを先回りで組み込みます。
内部用の詳細版と、提出先に合わせた外部版を併走させ、運用の始め方まで伴走します。
まとめ
経営計画書は、会社の方向を定め、日々の判断を支え、必要なときに信用を生む「地図と予定表」です。
まずは一枚からで構いません。言葉と数字をそろえ、月次で磨き続ける。その積み重ねが、会社を強くしていきます。
最初の一歩づくりは、どうぞお気軽にご相談ください。
守秘と誠実を大切に、確かな一冊をお手伝いします。

