事業承継の3つの方法|それぞれの特徴をわかりやすく解説
経営者の高齢化が進んでいる昨今、企業にとって避けて通れないのが「事業承継」です。
「誰にどうやって会社を引き継ぐか」は、企業の将来を左右する重要なテーマであり、計画的な準備が欠かせません。
事業承継にはいくつかの方法がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
今回は、代表的な3つの事業承継の方法をわかりやすく解説します。
事業承継の3つの方法とは?
事業承継の方法は、主に以下の3つです。
①親族内承継(子や親族に引き継ぐ)
②社内承継(役員や従業員に引き継ぐ)
③社外承継(M&Aによる第三者への引き継ぎ)
それぞれ確認していきましょう。
①親族内承継
親族内承継は、息子や娘、配偶者、兄弟姉妹など親族に経営権を渡す方法です。
特徴・メリットは以下の通りです。
- 最も一般的な事業承継の形である
- 創業者の経営理念や価値観を引き継ぎやすい
- 社内外からの信頼・納得も得やすい
家業として長年培った関係性や信頼を維持できるため、従業員や取引先にも受け入れられやすい方法とされています。
ただし、他の親族(相続人)とのトラブルに注意が必要です。
また、相続税・贈与税対策が必要になります。
②社内承継(従業員承継)
社内承継(従業員承継)は、現社長に近いポジションにいた役員や古参社員などに経営を託す方法です。
特徴・メリットは以下の通りです。
- 会社の実情を理解している人物が後継者になる
- 親族に後継者がいない場合に選ばれるケースが多い
- 従業員の士気や取引先の信頼を保ちやすい
新しい社長も実務に精通しているため、事業の連続性が保ちやすく、即戦力としての安心感があります。
ただし自社株式の取得資金がネックになる点には注意してください。
株式の買い取りが必要な場合は、資金調達のスキームを事前に設計するのが重要です。
③社外承継(M&A)
社外承継、つまりM&Aによる第三者への事業譲渡は、近年急増している事業承継方法です。
特徴・メリットは以下の通りです。
- 親族・社内に後継者がいない場合の現実的な選択肢になる
- 廃業を避け、会社の存続と雇用の維持ができる
- 売却によって現経営者のリタイア資金を確保できる
異業種や同業の企業に譲渡すれば、新たな展開や経営資源の統合によるシナジー効果も期待できます。
ただし、売却先の選定や交渉には専門的知識が必要です。
M&Aを成功させるには、仲介業者やM&Aアドバイザー、税理士の関与が重要となります。
まとめ
事業承継には「親族内」「社内(従業員)」「社外(M&A)」の3つの方法がありますが、どれがベストかは会社の状況によって異なります。
重要なのは、早めに選択肢を検討し、計画的に準備を進めることです。
事業承継に関して不安な点があれば、税理士などの専門家にも相談してください。

